体の動きを甦らせたい ―具体例を考える― (肩関節障害シリーズB)
2004年1月11日 花田
前回は「肩の動きを改善するには体幹へのアプローチが重要なのではないか」という内容であった。
そこで今回は実際の治療で行なった中で、成績良好と感じた例を挙げてみる。
東洋鍼灸院においては現在継続的に五十肩の症例に携わっている事はほとんど無いので、
別に勤務している整形外科において行なっている事である。
一回あたりの手技の治療時間は10分。手技の前にはMicrowave照射(10分)がある。
患者情報・・・40代女性 左肩の運動制限(発症して半年ほど放置していた)
ほぼ毎日通院。
※今回は特に体幹に関する箇所に限った治療例を挙げる。
問題の体幹の固さであるが、左側が明らかに固いく動きも悪い。最初から固かった面もあるかもしれないが、肩の運動制限が進行した事によって余計に悪くなったように感じる。
左図のように身体を捻ると青線領域に制限と痛みあり(左>右)。
【治療の流れ】
伸展(動きと痛みの確認)→マッサージ→伸展(兼動きと
痛みの確認)→マッサージ→反対側へ
反対側も行なうのは、伸ばすと同時に縮めるのも重要と考える為。
(腸腰筋・腹直筋の伸展や肩周囲への直接的な手技も行なう)
内・外腹斜筋、広背筋、腸腰筋、腹直筋、殿筋群
時間の都合もあるので、実際は確認作業と治療は同時進行が多い。
また、毎日行なえるわけではない(肩周囲へ重点を置く場合もある)。
充分な検証はできていないかもしれないが、劇的と言わないまでも
一度の治療後の「楽になる感じ」と「可動域改善」は見られる。
【補足】
一般的な生活だと体幹を大きく動かす事は少ないので、
左図のような肩甲骨の動作も日常の中で行なうように
指導している。横から見て大きく回転するように。
腕の挙上が辛い場合、自己で行なうには有効な方法。
身体への意識付けができれば予防にもなる。
肩から始まり目を広げていくと、広範囲に渡るアプローチが必要になってくる。
五十肩予防に水泳が良いと言われているのは、肩関節を動かす効果だけではなく、
背部(体幹)も含めた筋肉の充分な使用によるところが大きいからではなかろうか。